発表当日に発売された異例のスマホ『Google Pixel7a』。
生活に欠かせないスマートフォンですが、円安ドル高の影響から価格も上がっていて、高額なスマートフォンへの乗り換えは頭を悩ませます。
そこで登場してくれたのが、去年より話題になっていた『Pixel a』シリーズ。
iPhoneで例えると『SE』シリーズのいわゆる廉価版に当たります。
シンプルライフを大きく支えてくれている必須アイテムであり、毎日触れるものだからこそスペックの妥協はしたくないところ。
去年まではiPhoneを愛用していましたが(10年間ずっとiOS)、Pixel7Proへ乗り換えました。
Androidへの乗り換えは結果として満足。万人受けするスマホなのは間違いありません。
結論:ハイエンドクラスで低価格、Proと匹敵するかも
為替の影響を受けていることもあり、ミドルレンジモデルでも5万円代での購入は厳しくなってきているのが現状です。
次項のスペックを確認いただくとおわかりいただけると思いますが、ここまでのモデルでありながら6万円ちょっとなのは驚愕。
実際に使用した感想からすると、普段使いならProモデルにも匹敵できるとすら思える商品です。
スペック
▼まずは簡単なスペックの紹介を。
- 6.1インチ有機ELディスプレイ
- Google Tensor G2
- デュアルカメラ(広角、超広角)
- デュアルSIM対応(nanoSIM、eSIM)
- お財布、FeliCa対応
- IP68防水対応
- 音声文字起こし機能
- 翻訳機能
- 価格 ¥62,700円(下取り対応あり)
去年発表されかなり好評となったPixel7シリーズ同様の『Google Tensor G2』を搭載しており、燃費が良くさらに付加価値もしっかり詰め込んだ廉価モデルです。
Google独自の文字起こし機能や翻訳機能も備わっており他社スマホと差別化も図られています。
▼ベンチマークスコアは下記の通りで、処理能力はPro同様であることからハイエンドと遜色無し。
▼詳細なスペック表は下記の通り。比較対象は筆者愛用の『Pixel 7Pro』となります。
Pixel 7a | Pixel 7Pro | |
CPU | Google Tensor G2 | Google Tensor G2 |
メモリ | 8GB | 12GB |
ストレージ | 128GB | 128GB/256GB |
ディスプレイ | 6.1インチ 有機EL(90Hz) | 6.7インチ 有機EL(120Hz) |
解像度 | FHD+(1,080×2,400) | QHD+(3,120×1,440) |
カメラ | 広角カメラ(64MP) 超広角カメラ(13MP) フロントカメラ(13MP) | 広角カメラ(50MP) 超広角カメラ(12MP) 望遠カメラ(48MP) フロントカメラ(10.8MP) |
バッテリー(充電規格) | 4,385mA | 5,000mA(30W) |
認証 | 指紋認証・顔認証 | 指紋認証・顔認証 |
SIMスロット | nanoSIM | nanoSIM |
eSIM | ○ | ○ |
お財布 | ○ | ○ |
ワイヤレス充電 | ○ | ○ |
防水・防塵 | IP67 | IP68 |
サイズ | 152.0×72.9×9.0mm | 162.9×76.6×8.9mm |
重量 | 193.5g | 212g |
外観
カメラバーが特徴的なデザイン。昨年廉価モデルとして販売された『Pixel 6a』と比べると、カメラバーがアルミに変更されたことからチープ感が無くなり高級感を感じます。
▼背面のガラスはゴリラガラス3を採用していることもあり傷が付きにくいとのこと。
しかしながら、廉価モデルということもありPixel 7や7Proといった『ゴリラガラスヴィクター』よりも強度は劣るため耐久性は少し不安が残ります。
▼背面中央部に『G』マークが刻印されており、ここの上部にFeliCaが搭載されている模様。
▼好みが別れるカメラバーですが、筆者は好みのでデザイン。左から順に広角カメラと超広角カメラが配置されていて、おそらくPixel 7よりもレンズは小ぶりな模様。
他社と違い、バーになっていることで机においた際の安定感がありがたいです。
▼本体の形状はエッジが丸みを帯びていることから、つかみやすく握りやすいため片手での操作もサポートしてくれています(ケース装着より関係はないかも)。
▼個人的に一番残念なポイントが、電源ボタン(上部)と音量ボタン(下部)の配置。
電源ボタンが上部にあることから、誤って操作してしまうこと、手の小さい筆者からすると下部に配置してくれたほうが操作は楽だったことでしょう。
長期使用を考えれば慣れてくるとは思いますが、はじめのうちは操作に違和感を感じるかもしれません。ボタン配置はiPhoneが扱いやすい印象。
▼ディスプレイ上部には受話器とフロントスピーカー、パンチホール型のフロントカメラを搭載しています。スッキリしていていいです。
丁度いい6.1インチ、鮮やかに発色してくれる有機ELディスプレイ
▼『Pixel 7a』6.1インチディスプレイ。
6.1インチは大きさと操作性が丁度良く、ポケットにも収まるサイズ感。
女性の片手操作は厳しく感じますが、男性であればギリギリ片手操作が可能な範囲と言えるでしょう。
ディスプレイの大きさに加え、有機ELディスプレイであることから動画視聴はもちろん写真を見返すときもきれいに映ります。
リフレッシュレート90Hz対応となり、目の疲れの軽減にも
iPhoneでは60Hzが標準(Proを除く)で、Androidでもハイエンドクラスレベルで対応している程度。
※リフレッシュレートとは、1秒間の表示数のこと。数が多ければそれだけ多く表示してくれるため、なめらかに動いて見えます。
90Hzに対応したことにより、Twitterやブラウジングにおいて上下にスクロールしたときの動きはなめらか。
筆者はゲームをしないためなんとも言えませんが、ゲームの動作においてもスムーズに動いてくれるとのこと。
個人的には、廉価版の機種でリフレッシュレートの変更ができる機種が少ないのでお気に入りのポイント。
ロック解除がスムーズ
顔認証と指紋認証どちらにも対応しており、ロック解除までのスピードに不満は感じません。
顔認証はインカメラを使った認証であることから、光量が少ない場合は解除ができません。
▼しかし、指紋認証センサーにも対応していることから顔認証ができない場合でもスムーズに解除が可能です。
指紋センサーは光学式でありながらも反応はまずまずで、余程指が汚れていない限り認証しないことはありません。
▼保護シートを使用していても、反応が悪くならないようにソフトウェアで対策が可能になっています。
ロック解除のスムーズさはかなり重要で、少しでももたつくとストレスは多少なりとも感じます。
iPhoneと違い顔認証できなかったときの、上へスワイプする動作が省略されていることだけでもかなりリードしていると感じています。
保護シートは可能な限り、安価なガラスフィルムは避けてください!※筆者はすでに失敗済み。
▼結局買い直して、下記のようなPETフィルムでないと指紋認証が上手く反応しません。
▼使用しているフィルムはラスタバナナのPETフィルムです。
4,385mAの大型バッテリー、ワイヤレス充電にも対応
Google公式でのバッテリー駆動時間は24時間とのこと。
筆者の日常使用におけるバッテリーの消費具合は、睡眠前のバッテリー残量は40%程度です。
そもそもスマホ本体に負荷をかけるゲームをあまりしないことと、動画再生が多くても30分程度とライトユーザーであることから参考にはならないかもしれません。
おそらく、通常のブラウジングやSNSのチェックであればバッテリーの心配はする必要はないように感じます。
▼さらに『Pixel 6a』にはなかったワイヤレス充電にも対応したことにも対応しており、利便性も向上しています。
カメラ性能
価格が6万円代なので期待は出来ないと思われるかもしれませんが、そんなことはなく『Pro』と大差なく感じます。ということで『Pixel 7a』と『Pixel 7Pro』との比較をご確認ください。
▼標準カメラにて撮影。
▼広角カメラにて撮影。全体的に伸びてはいるものの景色のためわかりにくいかも。
▼標準カメラ。建屋の撮影。
▼緑と夕日のコントラスト。標準カメラにて撮影。
▼夜景の撮影。夜景モード無し。
▼夜景の撮影。広角カメラ、夜景モード無し。
▼夜景の撮影。夜景モードあり。
▼夜景の撮影。広角カメラ、夜景モードあり。
▼夜景の撮影。夜景モード無し。
▼夜景の撮影。広角カメラ、夜景モード無し。広角カメラの伸びがはっきりわかる画像。
▼夜景の撮影。夜景モードあり。
▼夜景の撮影。広角カメラ、夜景モードあり。
Pixelのカメラ性能は去年の7シリーズから大きな話題となり、その性能は廉価モデルである『Pixel 7a』にも引き継がれています。筆者としての感想は写真の違いは感じられず、編集に一苦労。
カメラ総評
廉価モデルとは本当に思えないカメラ性能です。写真の表現は自然な色味をそのままに映してくれることに加え、光量が少ない環境であっても問題なく撮影ができることに驚きです。
弱点をあげるのであれば、良くも悪くもそのままの写真表現であることから『映え』の写真は難しく感じます。写真の色味は青みが強い印象。
温かみを持たせた写真を撮影してたい場合は、iPhoneが強く『映え』に関してはリードするように感じます。
結論、ミドルレンジではおそらく最高クラスの性能で、素人の目で判断しても『Pro』と遜色ない仕上がりになっていることに驚きです。というか、ミドルレンジどころか『Pro』モデルと戦えるスマホは過去に見たことがありません。
動画
おそらく素人判断では難しいくらいに満足できる出来です。
最大で4K/60fpsの動画撮影ができることはもちろん、手ブレ補正もきちんとこなしてくれています。
これも完璧ではなく、ノイズが入ってしまい白飛びのような映像が入ることも。特にノイズが目立つのは夜景で、おそらくISO感度が高くなることから白くなるように感じるのかもしれません。
しかし、冒頭で伝えたようにおそらく気にななるようなことはなく、You Tubeにも使えるレベルとすら思える出来です。
Pixel便利機能はやっぱり便利
Pixelの特徴と言えばやっぱり下記。
- 消しゴムマジック
- ボイスレコーダー文字起こし機能
特に消しゴムマジックはかなりの優れもので、このブログ運営で使っている写真は基本『Pixel7Pro』のもの。写真に写り込んでいる人や物影も消して使っています。
▼説明するよりも見ていただければわかりやすいかも。
この機能はきちんと健在で、Pixelの購入を検討している人たちはここの機能に惹かれている模様。
しかしながら、この機能もぼかしてあるに過ぎず、よく見てみると不自然に見えるので、小さいものを少し消す程度には良いかもしれません。
そして文字起こし機能ですが、筆者も会議があるので実際に使ってみたのですが、正直な感想は『微妙』。
マイク機能がしっかりしているせいか、『えー、では…』『あー』など余計な音声まで認識してしまい、議事録として残すには難しいといった感想。
一人で話すプレゼンやセミナーにはおすすめかもしれませんが、実際に使用したことがないためなんとも言えないところです。使い所はそんなにないかも。
ここは改善してほしいかな…
改善してほしい点は下記の通り。
- 設定画面へのアクセスの悪さ
- 電源と音量ボタンの位置
- デフォルトのホーム画面は使いにくい
- ツインアプリは未対応
下2項目に関しては別途アプリを導入することで対応が可能ですが、上2項目はどうしようもなく。
▼常に触る箇所である以上、アクセスはより簡易的にしたいところです。
どんな人にでもおすすめできるスマホ
この価格帯でこのスペックはスマホの進化がもう終わったのかな?と感じる出来です。
もちろんデメリットも多少なりとも存在しますが、本当にわずかといったところ。
このスマホを超えるスマホがこれからいくつ出るのか不思議なくらいな完成度で、ほとんどの付加価値と高性能かつ、大容量バッテリーまで兼ね備えたミドルレンジスマホがわずか6万とちょっとで買える時代にまでなりました。
モバイルバッテリーを持ち歩かずに済むから、より手ぶらで出歩けるありがたさ!
画面サイズも日常使用で満足できる6.1インチで、男女問わない大きさであることもかなり高評価な印象。
うーん。これ6万かぁ…(ちなみに筆者が使っているメインの『Pixel7Pro』は12万ちょっと)。
もしProモデルを買っていなかったら、間違いなくこの機種を選択していたことでしょう。だって、Proは大きいから筆者の手には余るし、半額だし…。
ではノシ