皆さんにとって『一生モノ』ってありますか?
例えばバッグや財布、靴やコートなどなど…。
アパレルショップの店員さんも『一生モノ』としておすすめされることもあれば、ネットで革製品を調べると『一生モノ』と紹介されていることもあります。
そこで筆者にとっての『一生モノ』を実際に探してみたのですが、10年以上使っているものは見つからず。
そう考えると『一生モノ』って意外にも手元に無くて、実は存在しないんじゃないかな?と。
今回はこの『一生モノ』についてまとめてみました。
『一生モノ』を買わなくて良いと言える理由
そもそも『一生モノ』は存在しないと思っています。シンプルライフを実践していると普段から購入するものの厳選を行うことと、持ちものの整理を行っていて気付かされたように感じます。
そもそも一生モノは存在しない
私達は資本主義社会で生活をしている以上、お金を支払ってサービスや商品の提供を行ったり、行ってもらったりすることで生活を営んでいます。
その資本主義を回すためにもトレンドや流行を用いる必要が出てきます。
そのため一生モノが存在しないと言えるのは以下の通りではないでしょうか。
- トレンドや流行の変化
- ライフスタイルが変化
- 飽きが訪れる
トレンドや流行の変化
洋服で例えると、もし『一生モノ』が存在するのであればすべて『一生モノ』を購入してしまいそれだけで生活していくことが可能なはずです。
しかし、ファッション雑誌は毎月販売されており、定番に重きを置いているユニクロでさえトレンドを取り入れています。
統計的にも3年以上着ている服は10%未満と言われており、耐久性ではなく流行が去ったことにより着なくなることがほとんどだと言われています。
もちろん着続けることは可能ですが、好みや年齢の変化により同じ服をずっと着続けるというのはだんだん難しくなってくるはず。
それ以外にも、トレンドを取り入れないとどことなく古臭いような、垢抜けない印象を与えてしまうことでしょう。
なので着続けることは可能だけど、きれいに着こなし続ける事ができる服は存在しないのです。
ライフスタイルの変化
スマホが登場してから大きな変化が訪れ、様々なものが市場から消えることになりました。
デジカメ、カーナビ、ミュージックプレイヤーetc…。
もちろんガジェット類に留まらず、『一生モノ』で売られていたであろう財布ですら必要性が問われています。
そして財布以外にも、持ちものをあまりも歩かなくなったことから、身軽さを表現するため小さなバッグが今のトレンドに変わりました。
先がわからないからこそ、技術の進歩でライフスタイルも大きく変化する可能性があることから、今ある普通がこの先も続くとは言い切れなくなってきました。
飽きが訪れる
どんなにいい商品でも、新しいものが出てくればそれに目移りしてしまうもの。
それはもちろん飽きてしまったわけではないのかもしれませんが、これから先もそんな事が続いていきます。
そこでこんな質問なのですが、持ちもので10年以上使っているものはどのくらいありますか?
さらに掘り下げてみて、5年以上使っているものは??
実際のところ日常的に使っていて関心があるものほど入れ替わりが激しく、あまり関心がないものは気がついたらずっと使っていたなんてことも。
服はもちろん、バッグや小物類、スマホなどのガジェット類の入れ替わりは激しいと筆者自身が実体験しています。
もちろんせっかく関心があるものだからこそ、ものの厳選を常にしてアップデートしていきたいですよね!
どんなものも循環し、卒業していく
どんなものも時代にあった役割を担っていて、時間が経てば持ち主の価値観もその周りの環境も変わっていきます。
購入当時の価値観に適したものだからお気に入りなのだとしても、それがこの先10年以上気持ちが続く保証はありません。
持ち主とものの関係性がそのときは適切な状態なのかもしれませんが、時が経つにつれて適切でなくなったとき、そのときが卒業であると思っています。
そのため関係性が変わってしまった以上『またいつか使う』ことはほぼ無くて、別れるタイミングなのでしょう。
『一生モノ』は存在しないと言ったけど…
前項から『一生モノ』が存在しないことをお伝えしましたが、持ち主によって『一生モノ』にできるかどうか大きく変わってきます。
それが以下の条件に当てはまるものではないでしょうか。
- 時代に左右されないデザイン(デザインの起源となったもの)
- 年齢に関係なく使える
- 劣化しにくい
- 修理対応ができるメーカーが存在すること
しかし、条件に当てはまるとはいえ必ずしも『一生モノ』になれるわけでもなく…。
『一生モノ』にしたいと持ち主が手間をかけメンテナンスを施し、価値が変わったとしても一緒により添う必要が出てきます。
でもなかなかそんな覚悟できないような気が…しませんか?
最終的には持ち主の扱い方と関係性に大きく起因してくるところです。
そこで思い返すと意図せず長年連れ添ったものに心当たりはありませんか?それがおそらく本来あるべきカタチの『一生モノ』なのかもしれません。
最後に
どんなものも『もの』である限り必ず『寿命』が訪れます。
その寿命が訪れるまでの時間、どれだけ一緒に過ごして関係性を親密にできたかが大切なことだと思っています。
もし『一生モノ』として購入したものがあれば、持ち主である購入者の気持ちを一度でもときめかせた大切なものであることは間違いないはず。
そんなときめいた『一生モノ』をクローゼットに直したままにせず、一緒に過ごして消費していくことがものにとっても喜びであって、本来の価値になると思っています。
使っていない『一生モノ』があればこれを機会に使ってみても良いかもしれません。
逆に使わないと思うのであれば、新たな持ち主へ送り出してあげてもいいかもしれません。
ではノシ